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現場経験を通して得られた工具や道具の使い方を現役の現場監督の私が惜しみもなく、みなさんに伝授します。
現場監督が教える工具の使い方
工具の使い方を知って、
工事現場で頼られる人間になろう。
しのの使い方
しのの概要
監督が教える工具の使い方
>
ネジ、ボルトを締める工具
>しのの使い方
「しの」とは、
番線
(ばんせん)という固い針金を結ぶのに使用する先端(せんたん)が細くなっている鉄の棒の工具です。
以下のラインナップです。
・使用方法と注意点
・購入方法と注意点
3分で読み終える
ので
工具の使い方を知って、
工事現場で頼りにされるように
ぜひ最後まで見てマスターしていってください。
のちほど説明しますが、ボルトやナットをしめる工具を「しの」と呼んだりもしますが、正式名称は
ラチェットレンチ
です。
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最初にしのという言葉を聞いた時は頭の中では「シノ」「シノー」という海外産の工具かなと思った人も多くいるはずです。
しのは篠竹(しのだけ)という竹に似ているため、篠金物(しのかなもの)という正式名称があり、それが「シノ」の由来になっています。
略して「篠(しの)」って呼んでいるということです。
この篠竹の形に似ているので、篠金物。
海外産のシノーという工具ではなく、日本産の工具です。
しかし一番最初に見せた写真のような鉄の棒にグリップがついている本来のしのを現場で使っている人はほとんどいないと思います。
なぜなら現場ではラチェットレンチの下の部分がしのになっているものを使っている人がほとんどだからです。
これは「しの付きラチェットレンチ」という工具ですが、本来の「しの」があまり現場に出てこないので、上の「しの付きラチェットレンチ」を「しの」と呼ぶこともかなり一般的になっています。
今ではラチェットレンチのことを完全に「シノ」という名称で覚えている人もかなり現場でたくさんいて一般常識みたいになりつつあります。
正解の「しの付きラチェットレンチ」と現場で言っても逆に通じない可能性もあるので、そこらへんは臨機応変(りんきおうへん)に対応してください。
またラチェットとシノの違いって何ですか?と聞く方もいますが、根本的には工具として同じだと思います。
シノ付きラチェットレンチをラチェットと呼んでいると思うので、「それはシノの能力も持っているからシノでもあるよ!」という感じです。
追記
工事現場以外の職種の方、例えば庭師の人で本来のしのを使っている方とかいるようです。
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使用方法と注意点
しのは、以下のように使います。
番線(ばんせん)という固い針金で固定したい場所に番線をセットします。
大体の場合は、2つ以上の物を1つに縛る(しばる)時に使います。
古本をまとめて紐(ひも)で縛るのと同じです。
鉄工の場合は本ではなく、重い鉄なので紐では切れてしまうため、頑丈(がんじょう)な針金で縛るのです。
番線を交差させます。
私の場合は、時計回りに縛ります。
それを3回繰り返してこんな感じでねじれた状態(じょうたい)を作ります。
私は時計周りに縛ったので、さっきのねじれた部分を丸めてこんな感じで反時計回り方向に輪ができるように曲げます。
ぐるぐる交差させた時計回りとは反対になるように輪を作るのがポイントです。
同じ向きで輪を作ると番線を締める時にぐるぐる交差させた部分がどんどんほどけていってしまいます。
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ここでしのの登場です。
輪にしのを通して、「ねじれた部分の根元が回転するように」しのを「時計周り」に廻します。
番線をしめるということは、この根本の部分がどんどんしまればいいので、とにかく根元の部分を回転させるという意識が重要です。
番線の先端の方はこんな感じでもう片方の手で押さえてあげます。
これで根元の部分がしまるように何回か回転させます。
何回か回すと番線がきっちり固定したいものを縛って全然動かなくなります。
この時点で番線で固定することは完了しました。
最初に作った輪っかが大きすぎると上のようにぐるぐる巻きになってしまうので、しのをひっかけるための輪っかは出来るだけ小さく作りましょう。
単管(たんかん)パイプにぴったりと張り付けたトラテープが縛った場所でゆがむほど、ぴっちりと単管パイプを縛っています。
※黄色と黒の配色は「虎:トラ」と言います。
トラのテープでトラテープです。
黄色と黒のナイロンのロープはトラロープです。
これはトラロープ。
あとは、片手で押さえてた方の余っている番線の処理をしないといけません。
こんなに線が余っていたらあぶないので、番線でカットします。
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長い部分は「
番線カッター
」という番線を切るための工具で切断します。
これで縛るのは完成です。
番線カッターで短く切れていないと逆に刺さってあぶないので、できるだけ飛び出ないように番線をカットしてあげましょう。
見て理論を覚えたからと言って実際にできるかどうかは別の話です。
みなさんも原理をしった上で何回か試しに縛ってみて、多分最初は失敗すると思いますが、何回も失敗しながらこの番線の結び方を覚えて下さい。
さっきも言いましたが、一番重要なことは
「結び目の根元を回す」ということです。
現場の職人たちはその重要な論理(ろんり)を教えないで、見て覚えろというのでそんなんじゃ後輩が育つわけありません。
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購入方法と値段
本来のしのはまず現場で使わないので、「しの付きラチェットレンチ」を購入して下さい。
そのことについては
ラチェットレンチ
のページに詳しく記載しているので、そっちを確認してください。
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他にも様々な工具があるので「
ネジ、ボルトを締める工具
」のページに戻って確認してみて下さい。
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