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現場経験を通して得られた工具や道具の使い方を現役の現場監督の私が惜しみもなく、みなさんに伝授します。

工具の使い方を知って、
工事現場で頼られる人間になろう。

ガス切断

ガス切断の概要

監督が教える工具の使い方切る工具>ガス切断


酸素と可燃性ガス(ほぼ100%アセチレンが使われる)を混ぜた気体を燃やしてガスバーナー上にして「鉄」を切断します。


酸素+アセチレンで発生する火の温度が鉄を切るのに最適な温度くらいにしか設定できないので、ガス切断と言ったら鉄(Fe)しか切断できないということを覚えてください。


例えば
ステンレスなんかはこのガス切断の火の温度では切ることができません

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切断と言っても物を引きちぎって切るわけではなく、鉄を溶かしてその部分自体が無くなるという感じです。
溶けた鉄は切断面近くにこびり付いたり、下に落ちたりします。

この火花1つ1つが削り取られた鉄。
鉄と言うのは元素記号でいうFeのことです。
このガス切断はFeしか切れません。


例えば銅板で同じことをしようとしたら、切りたい部分以外の周りの部分も熱で溶けて垂れてしまったりすると思います。
完全にFe切断用です。


作業後に、下に敷いた波トタン板に鉄のカスが溜まっています。

切断面はガス切断をしただけではかなり汚いです。


その場合、切断面を整形するため、グラインダーで表面を削ってきれいな状態にします。


日曜大工で鉄を切断するために、ガスボンベを2個用意して作業するかと言われれば、まずほとんど無いでしょう。

趣味でそこまで器具を用意するのであれば、それはもう鉄工屋さんになった方がいいと思います。

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使用方法と注意点

吹管(すいかん)内に酸素とアセチレンを流して、混合ガスを作り可燃させます。
吹管は、バーナーやトーチとも呼ばれます。
下の画像全体で吹管という工具です。

吹管にはガスホースを2個つなぐところが柄の下に存在します。


1つは高圧ボンベに入った酸素から、
もう1つはアセチレンなどの可燃性ガスのボンベから、
ガスホースをそれぞれ接続し、手元の回転するレバーでそれぞれのガスの量を調節します。


ガスの吹き出す部分を「火口(ひぐち)」と言いますが、そこから酸素とアセチレンの混合ガスがプシューと吹き出している状態で、専用の着火装置で火をつけると、ガスバーナーのように火を噴きだします。

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専用の着火装置は、静電気による火花を発生させる銃みたいな形の器具です。

チャッカマンのような生火を火口に与えると確か危険なので静電気の火花による着火を行います。
理由は覚えていません。
いつか追記しておきます。


動画再生中のスクリーンショットを撮ったらなんかよくわからんがかっこよかったので、加工せずにそのまま載せます。

こんな感じで銃の先端から火花が出ますので、これで火をつけることができます。

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酸素とアセチレンの量を調節して、火の色を青に変えてから作業します。


鉄を切断するときは、
切断する面と火口との距離を5mmくらいに保ちながら熱を加えていきます。
十分な熱量になると鉄が溶けて切断できます。


切断面との距離を5mmくらいに固定しながら横にずらして切断していくので、ちょっとした揺れで手元が動くと作業効率が悪くなります。


こんな感じで対象物から5mmくらい浮かせた状態で左右に手を動かしながら切断していきます。

切断するものの下に凹型の「チャンネル」という材料を置いている理由は、火の粉が飛び散らないようにするためと、火の粉で地面を焼かないようにするためです。


鉄板をガス切断しているところを下から撮影した写真。

これくらいめちゃくちゃ火花が出るので、火花が落ちるところには基本的に何かしらの燃えない素材で養生(保護)する必要があります。


ガス切断の出来上がりは汚いので、穴のふちをグラインダーで整形してきれいに仕上げます。


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話を戻しまして、5mm浮かせた状態を維持しながら切らないといけないので、少し体が揺れただけでガス切断出来なくなります。


私の場合だと、鉄板の上でガス切断する職人さんの後ろを歩いて、足元の鉄板が揺れて作業の邪魔をして怒られたことがあります。


ガス切断している人の近くにはあまり寄らないのが一番いいでしょう。


現場では、信頼関係が成り立っている間柄で、冗談でガス切断をしている人の後ろに立って足元を揺らすなどのイタズラをすることもありますが、そればっかりやってたら今に本気で怒られると思います。


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この吹管を用いてガス切断を行うには
「ガス溶接 技能講習」という講習会を受けないと作業してはいけないことになっています。


「ガス切断」技能講習ではなく、「ガス溶接」です。


ガスの熱量を調整すれば、溶かした鉄でそのまま鉄同士を接合できるからです。


本来はそういう用途の方が多かったのしれませんが、今はアーク溶接という溶接が主流で、工事現場でガス溶接を行っている風景を私は見たことがありません。


なので、現在では、ガス切断のみが工事現場で使用されています。


ちなみにアーク溶接は2枚のつなげたい鉄板の間に、鉄の棒を溶かしこんでつなげる方法です。


ガス溶接の場合の、2つの板自体を溶かしてつなげるのとは方法が違います。


ガスボンベの扱い方や、ホースの仕組み、実際に吹管を使用する手順などは技能講習で行います。


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自分で使用しない場合の概要についてはこのページ内に書かれたことで十分現場内で通用すると思うので、もしもっとガス切断について知りたいなら、技能講習を受けてみるといいです。

高圧のボンベは一気に開栓すると、大爆発を起こすので、高圧ボンベの仕組みを理解していない場合は、うかつにボンベに手を出さないことを心掛けておいてください。

ガスボンベはこんな感じで、直射日光があたりにくい場所に保管し、発泡液をかけてガス漏れを確認できるように洗剤を近くに置いておきます。


発泡液は、単純に水の中に洗剤をある程度入れて泡立てたもののことです。

適当にバケツに水を入れて、そこに洗剤をビャアアアって入れてかき回せば完成です。

この発泡液をガスが漏れているところにかけると、プクプク泡立つので一目でガス漏れがわかります。

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購入方法と値段

吹管自体の値段は、15000円~20000円くらいです。

火口の部分は500円~1000円くらいで買えます。

火口の部分は溶けた鉄がくっついてガスが出る穴の部分が埋まってしまうと使えなくなってしまいます。

結構ダメにしやすい部分なので、いくらか火口を用意しておくといいかもしれません。

高圧ボンベの酸素とアセチレンの値段は知りません。多分高いです。

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他にも様々な工具があるので「切る工具」のページに戻って確認してみて下さい。


バナースペース

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独立切子士として
切子の工房を立ち上げました。切子工房 箴光
切子工房 箴光(しんこう)

転職したとはいえ、工事現場で工具の使い方を学んだ経験は江戸切子を作る際にとても役に立っています。


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