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現場経験を通して得られた工具や道具の使い方を現役の現場監督の私が惜しみもなく、みなさんに伝授します。

工具の使い方を知って、
工事現場で頼られる人間になろう。

シャックルの使い方

シャックルの概要

監督が教える工具の使い方運ぶ工具>シャックルの使い方

鉄のシャックル
シャックルとは、玉掛け時(たまかけじ)にワイヤーロープやナイロンスリングと組み合わせて使う吊り具(つりぐ)です。


3分で読み終えるので工具の使い方も知らない人間として工事現場でバカにされ続けたくなかったら、ぜひ最後まで見てマスターしていってください。



ワイヤーロープだけでは、玉掛けできないものがあるのでそれらを吊るときに使用する場合があります。

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ワイヤーロープの先端は輪っかになっており、元々備え付けられているトラックの荷台の固定するための器具なども輪っかになっている場合があり、お互いに輪っか同士だと引っかけられないため、中間にシャックルを挟んで使うという感じです。
シャックル解説図

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実際の画像はこんな感じです。
シャックルの実際の取り付け方
シャックルのピンの部分がマシンボルトのようにネジになっていますので、ピンを外してつなげたいワイヤーロープの輪っかと対象物の輪っかをシャックルの
U字の中に入れてピンを絞(し)めます。


ピンの先端は小指ほどの輪っかがついているので、しのやラチェットレンチの先端を差し込んでグッと増し絞め(ましじめ)をしても良いです。


シャックルの大きさ
シャックルに決まった大きさはなく、使用用途に応じて大小様々に存在しています。
上の写真はストレートタイプといって通常の形の物です。



あとはストレート長タイプという上のU字の部分を長くしたものと、バウタイプというU字の部分が丸く膨らんでO型になっているものもあります。



しかし、私は様々な工事現場に行きましたが、上の写真の通常のストレートタイプしか現場では見たことがないので、上の物を想像してもらえれば良いと思います。

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材質は鉄とステンレスがあります。
ステンレスはサビにくい分、単価が高いので、基本的には鉄のシャックルを使用している工事現場が多いと思います。


野外で使用するものなので、サビにくいに越したことはないと思いますが、私が過去に行った現場ではほとんどが鉄のシャックルを使用していました。



また表面加工としてメッキが施されているシャックルもありますが、こちらもグレードが上がって値段が高くなっていく傾向になるので、予算との兼ね合いで選択することになるでしょう。



鉄のシャックルはサビて減肉し、U字の部分が細くなっている危ないやつもたまにあるので、そういうのは使用するときに目視で発見して仕分けして捨てておきましょう。
大事故につながりかねません。



またかなりの重量物をシャックルを使用して持ち上げる際は、シャックルにも耐荷重、耐えられる限界の重さも存在しています。



JIS規格でグレードがM級、S級、T級、V級と4つあり、同じサイズのシャックルでも耐えられる重さが違います。


JIS規格で重量に関してはかなり細かく定められているので、原発内などの徹底した証拠提出を求められる現場では、そこらへんも調べながらシャックルの選定をすると良いと思います。



私が行った現場では下請けの施工業者が自社で持っている土嚢袋に入れられた適当なシャックルを使用している現場が多かったので、基本的にはそこまで目くじらを立てて耐荷重を全て玉掛けする前に確認してシャックルを選定するというような使い方はしないと思っておいた方がいいです。



シャックルの表面に「
WLL10T」のように刻印されているのを見つけることができると思います。
それは「使用荷重は10Tまで」という意味ですので、それだけ確認しておけば基本は大丈夫だと思います。

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使用方法と注意点

Uの口の部分のピンをぐるぐる回してピンを抜きます。

ピンを抜くと、完全にU字になるので、そこにつなげたいものを2点入れます。

そして、2点のものが入った時点でピンをしめて締結します。
シャックルの使い方間違い
ワイヤーロープの輪の部分とトラックの荷台についた輪がU字の中に入っていて、シャックルによって2つの物が固定されるようになりました。
これがシャックルの使い方です。

上の画像の状態はシャックルのピンがワイヤーロープ側に来ていますが、これは正しい使い方ではありません。

ワイヤーロープ側は荷を抑えるために振動に合わせてグリグリと動きますので、その動く際にピンがゆるみはずれてしまうといった事故が過去に発生しています。


シャックルを取り付けたら必ずピンをワイヤーロープ側に持っていかないように配置します。

下の写真のようにUの字側にワイヤーロープを引っかけるのが正しい使い方です。
シャックルの使い方、正しい使い方
こんな感じで、玉かけワイヤーロープと他の工具をつなげるときの中間の工具として使用したりします。

こんな感じでピン側の方が動きやすい部分に接触すると、はずれてしまう可能性があるので、できるだけピンは固定されている側に設置します。

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購入方法と値段

シャックルは一般的な工具ではないですが、ホームセンターにも売っているとは思います。
ただ、インターネット上で建設工事の工具を扱っている会社に注文を入れる方が安くて大量に発注できるかと思います。

大体1個あたり300円~1000円くらいで購入できると思います。
相場観はそんな感じです。

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バナースペース

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独立切子士として
切子の工房を立ち上げました。切子工房 箴光
切子工房 箴光(しんこう)

転職したとはいえ、工事現場で工具の使い方を学んだ経験は江戸切子を作る際にとても役に立っています。


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