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現場経験を通して得られた工具や道具の使い方を現役の現場監督の私が惜しみもなく、みなさんに伝授します。

工具の使い方を知って、
工事現場で頼られる人間になろう。

ブラスト

ブラストの概要

監督が教える工具の使い方表面をきれいにする工具>ブラスト

ブラスト釜という、高圧で空気と物質を混ぜて送り出す釜にブラストの砂を入れて、高圧で壁に吹きつけることで、塗装面に凸凹をつける作業のことを言います。

これがブラスト釜。
この釜の中に砂と圧縮した空気を入れて、ホースの先から高圧で砂を放出します。

イメージ図

上の画像でブラストのホースを持っている人がマスクをしているのは、ブラストの砂が高圧でものすごいスピードで側板の鉄板にぶつかると、ブラストの砂が砕け散り、粉塵となって空気中に舞うからである。

マスクは必須。正確にはフルフェイスのマスクをしないといけないらしい。ゲリラが使うような目だけが出るマスクのこと。
もちろん、目が出る部分はゴーグルで隠す。

密閉空間じゃない場所でもこれくらいの重装備でブラストします。

私は10m離れたところからカメラをズームでブラストをしているところの撮影をしましたが、10m先から砂の粒子が飛んできて、顔に当たって結構痛くて身の危険を感じました。

密閉空間でブラストを打つと、1時間くらいは粉塵が舞っていて視界が白い粉塵でさえぎられるらしい。

もちろん、鉄の粒子が舞っているわけなので、目を完全に覆うゴーグルを装備してないと、目に粒子が入り非常に危険。

フルフェイスで臨みます。



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使用方法と注意点

ブラストの砂はぶつかったあと当然下に落ちるので、上下作業禁止。
(基本的に上下作業は何をするにも禁止だが、特にブラストの場合は気をつけたい)

上の絵では笑顔で、ブラストのホースを持って仕事しているが、実際は非常に危険な作業。

もし、間違えてブラストの砂を自分の腕に放出してしまったら、ショットガンのような散弾を自分の腕に撃ってしまったくらいのひどい事故になる。

高圧で砂が出ているので、自分の腕に砂がめりこんだり、最悪な場合、自分の腕の肉を吹き飛ばし、肉片が地面に転げ落ちるくらい危険。

ブラスト作業中は非常に危険なので、ブラスト作業ができる人だけが現場の中に入り、それ以外の人は全て現場外に出ないといけない。

ブラストをすると、下の図のように側板の表面が凸凹になり、次に塗るプライマーが液垂れすることなくきれいに塗ることができるようになる。



実際の写真

ブラストを打ち終わった後は、こういう器具でブラストでちゃんと凸凹がついているか確認する。

基準の板と地面を虫メガネで見比べて仕上がりを確認する。(虫メガネと基準の板はセットで販売されている)

基準の板。
表面の凸凹が異なる板なので、どれくらい凸凹になっているかこの板と比較して判定する。

アンカーパターン→アンカーは「打つ」、パターンは「模様」なので「ブラストで打った後の模様」という意味。
この花びら型の板は、高純度のニッケルの板から電鋳によって作られている。最大公差も決まっており、正確に作成されている。

SSPC研究所の250倍の顕微鏡で、一番高い頂点を測定する。
次に隣接したくぼみの底に合わせ、その移動した長さを測定。

その平均値が要求されるアンカーパターンの粗さの名目値に一番近い板が原板として選ばれる。


使い終わったブラストの砂は集塵機・集塵の車で集めて、下の画像のように袋につめて産廃としてトラックで運び出す。



これだけの袋の量になる。



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バナースペース

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独立切子士として
切子の工房を立ち上げました。切子工房 箴光
切子工房 箴光(しんこう)

転職したとはいえ、工事現場で工具の使い方を学んだ経験は江戸切子を作る際にとても役に立っています。


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