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現場経験を通して得られた工具や道具の使い方を現役の現場監督の私が惜しみもなく、みなさんに伝授します。

工具の使い方を知って、
工事現場で頼られる人間になろう。

防塵マスクの使い方

防塵マスクの概要

監督が教える工具の使い方安全道具、安全用品>防塵マスクの使い方

防塵(ぼうじん)マスクは、工事で発生した粉を吸い込まないようにするために装着するマスクです。


工事現場では粉が舞うことがよくあります。粉が大気中に舞うくらい微粒子のものを「粉じん(ふんじん)」と呼びます。

粉の種類が何にせよ、粉じんを長い間吸い続けると、肺の酸素を交換するための肺胞に蓄積し、肺の病気になります。

木工ではそこまで粉が微粒子にならないと思いますが、鉄工では、サビを削って表面をきれいにすると、サビが大気を舞うくらいの微粒子になります。

また、アーク溶接をするときに溶接棒から出た煙は溶接ヒュームと言って、大気に舞うほど微粒子な金属です。

溶接時にこうやってモクモクと白い煙が出ますが、この煙の中に気体になった金属が混じっています。

その煙を吸うと、そのまま肺の奥に金属が入り込んで蓄積します。
肺の中に入ると二度と外に出ることはありません。

それらの目に見えないほどの微粒子な粉を肺の中に入れないために作業するときは必ず使用すべき安全用品です。

人の言うことを聞かない適当な作業員でもこのマスクだけはつけているほどです。


構造的には、黄色の矢印のところからフィルターを通して空気を吸い込みます。

息を吐くと、フィルターに逆戻りしないで、下の丸いところから排気されます。


マスクの内側です。フィルターを通して黄色い矢印のきれいな空気が入ってくるので吸います。

息を吐くと真ん中のゴムが息で押されて蓋をするので、下の方しか空気が逃げる道がないので、黒い矢印の方に排気した空気が押し出されます。

すると、1個上で見せたように下の丸い部分から排気されます。

この真ん中の黒いゴム(逆止弁)の上に通常はスポンジを敷いて、写真のように呼気ないの水分で濡れるのを防ぎます。

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使用方法と注意点

普通の病気とかで使うマスクは紐を耳にかけて使用しますが、防塵マスクはマスクから伸びたバンドを後頭部にセットして使用します。

工事現場では確定でヘルメットをかぶっているので、ヘルメットの後頭部側にバンドをかけて使用します。

まずは、防塵マスクの下の方にホックで後ろで結ぶことができる紐がついているので、首の後ろでカチッとセットして止めます。

マスク内にスポンジを敷いてありますが、スポンジを取るとさっきの逆止弁が出てきます。

これを首にかける。



ホックをはずして首の後ろで止める。


次に2でマスクの上の方のバンドを上の方に持っていき、後頭部に掛けます。
1と2のバンドを締めることで、マスクが顔に密着するので、隙間から粉じんを吸い込むことは無いです。
ただ、バンドが弱ってくると、マスクと顔が密着しづらくなり、粉じんが間から入り込むことはあります。

ケースを開くとフィルターが2枚入っています。
写真は、少し使用しているので、白いフィルターがうっすら黒くなっていますね。
これが真っ黒になったら交換です。

白いフィルターの下に黄色いフィルターがあります。

使用すると、上の白いフィルターがいずれ真っ黒になりますので上の白いフィルターだけ定期的に交換します。

これがMAXで汚い状態です。
中心の空気が入り込む部分に大気中に舞っていたほこりが固まってくっついています。


現場でよく間違っているのは白いフィルターを使用しないで、黄色いフィルターだけ使っている人が多いです。

黄色いフィルターだけでも大丈夫なのかもしれませんが、購入当初はこの白いフィルターもついているので、白いフィルターの存在もしっかり覚えておきましょう。




現場では密閉空間内などでサビをグラインダー(金属の削る機械)で落とすことがあり、削った錆は粉塵になって、大気中を舞います。
それが肺に入ると良くないので、防塵マスクをします。

密閉空間ではなくても、かなり粉塵は舞うので装着して下さい。
粉塵を吸ってもすぐには症状は出ませんが、積もりに積もって肺の病気になります。


防塵マスクは、色んなメーカーの物がありますが、現場でよく使っていると思われるのは、画像の通りのコウケンのサカヰ式(さかい式)の1005Rという型の物かもしれません。


ちなみにサビを落として表面をきれいにすることを「バフがけ」と言います。


また簡易式の使い捨ての白い防塵マスク(M3:スリーエムというのをよく使う)もあります。



こういうやつです。




こういうタイプの簡易式の使い捨てマスクは現場に1日だけ来る人が着用する場合がほとんどです。

例えばたまに現場に来る施行依頼主とか。
あとは普段は事務所で設計している人間が現場の視察を行う時とか。

現場で日常的に仕事をする人なら、使い捨てのものではきりがないし、使い捨てのものはしっかりしたものより性能が悪いので、長期的に使う人はしっかりしたものを買うといいでしょう。

日曜大工とかならば、使い捨てのものを買った方が安上がりかもしれません。


購入方法と値段

多分間違いなくホームセンターで売ってないと思うので、ネット上で調べて工事安全用品を販売しているところから購入することになると思います。

使い捨ての防塵マスクは1個300円~400円くらいで、10個入りとかで3000円~4000円くらいで販売されています。

ちゃんとした防塵マスクは本体価格が2000円~3000円くらいです。

中にいれるフィルターは1枚200円~300円くらいです。
簡易式の使い捨てマスクと同じくらいの値段します。


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独立切子士として
切子の工房を立ち上げました。切子工房 箴光
切子工房 箴光(しんこう)

転職したとはいえ、工事現場で工具の使い方を学んだ経験は江戸切子を作る際にとても役に立っています。


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