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現場経験を通して得られた工具や道具の使い方を現役の現場監督の私が惜しみもなく、みなさんに伝授します。

工具の使い方を知って、
工事現場で頼られる人間になろう。

防炎シートの使い方

防炎シートの概要

監督が教える工具の使い方安全道具、安全用品>防炎シートの使い方


防炎シートとは、厚手のポリエステルのシートで、炎に対して強いシートのことです。


以下のラインナップで紹介します。
・防炎シート概要(がいよう)
・使用方法と注意点
・購入方法と値段(一軒二軒の単位の解説)



2分で読み終えるので工具の使い方も知らない人間として工事現場でバカにされ続けたくなかったら、ぜひ最後まで見てマスターしていってください。



防炎シート概要

ガス切断やガウジングという鉄を削り取る作業を行う場合、大量の火花が飛び散ります。



炎の近くに寄せても容易には燃えず、燃えたとしてもシート全体まで延焼することなく、その一部のみ燃えます。



メッシュではなく、水や風を一切通さないので外で作業を行う工事現場で業種を問わず、とても良く使われているものです。


色は通常は白いシートを使うのがかなり一般的ですが、グレーっぽい色も販売されていたと思います。



白いシートを使うのが暗黙のルールとかではなく、マクドナルドに行けばノーマルのハンバーガーが基本なように、防炎シートも白が基本なので、それを買うという感じです。


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使用方法と注意点

ガス切断やガウジングという鉄を削り取る作業を行う場合、大量の火花が飛び散ります。


過去の経験だと、この2つの作業を行っているときにお客の機材が火花で燃えかけて大きな問題になりました。


こういう作業を行う際に、その火花が出る方向に防炎シートを張っておく使い方をしています。


ただし、燃えて穴が開くことも結構あって、その穴から火花が出てしまうということもあり、絶対に火花を通したくない作業の時は、ブリキ板(うすい金属の板)で作業者の周りを囲む方法もあります。

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ガス切断時に、下に波トタン板を敷いてる例。


作業後はこんな感じで鉄のカス(火の子)が残っています。


とにかく火器作業を行う場合に、先に周辺に設置しておけば良いでしょう。




また、雨や風を一切通さない素材なので、外に濡れては困るものを保管するときには、防炎シートをかぶせて養生(保護)する方法がよく行われています。

外の地面に置いたもので濡れては困るものを防炎シートでくるんでいます。



物を防炎シートでくるんだ時に、上部の方にくぼみがあると雨水がそのくぼみに貯まってくぼんでしまいます。

雨を一切通さないので、このままでは排水されずにずっと薄いが貯まっていく一方なので、くぼみができないようにシートをかぶせる必要があります。


水は1リットルで1kg。
上の写真は少しの水のように見えますが、10リットルくらいは入っているので、10kgの負荷がかかっています。


この重さが増えていくとくるんでいるものが丈夫でない場合、悪影響だし、何より手の力では雨水が溜まった防炎シートをピンと張って排水できなくなるので大変です。


最初から苦労することがわかっているなら、防炎シートをかぶせる時点で山型に防炎シートがなるように配置します。

左は山型。
右は上部にくぼみがあるので雨水が貯まる構造です。
山型にするには盤木などをくぼんでいるところに差し込んで高さを出してから防炎シートでくるみます。


メッシュパレットこんな感じで防炎シートでくるんでトラロープで縛って外に放置しておくことが多いのですが、写真のようにくぼんでいるところに水が貯まってしまっています。




雨や風を通さない丈夫な素材なので、足場を組んだ際に落下防止のために、足場の外面を全て防炎シートで張ることが多々あります。


足場の外面に防炎シートを張ると、風を通さない分、風の影響をもろに受けます。


台風が近づいてきたときは、半日がかりとかで防炎シートの片方を外して、支柱にくくりつけて逆に風通しをよくしておかないと、足場全体が倒壊する危険があります。

足場が倒壊する事故はニュースでも大々的に取り上げられる危ない事故ですので、強風に注意してください。

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購入方法と値段

多分ホームセンターにはまず売っていない工業用のシートだと思うので、ネット上で専門の販売業者に申し込んで納品してもらう形になるでしょう。

防炎シートの大きさの単位は1.8mごとに販売されています。

最小単位で縦1.8m×横1.8mということです。

この一辺1800mmのことを一軒(いちげん)という単位で呼んでいます。

防炎シートは一軒ずつの単位でしか存在しないので、防炎シートを発注するときは、一軒二軒(いちげんにげん)、二軒三軒(にげんさんげん)という感じで頼みます。

・一軒二軒(いちげんにげん):1800×3600
・二軒三軒(にげんさんげん):3600×5400

最大で大体7.2m×9mの四軒五軒くらいまでが販売されています。

私の現場では二軒三軒の3600×5400の防炎シートを26枚頼んで使用しました。
二軒三軒でもかなりの大きさになって取扱い・作業の段取りが非常にやりづらいので、これ以上大きいタイプのものを使用するとなると、果たして本当にいいのか疑問です。


1800mm×1800mmで1枚700円。
1800mm×3600mmで1枚800円
1800mm×5400mmで1枚1200円

3600mm×3600mmで1枚2000円
3600mm×5400mmで1枚2500円。

5400mm×5400mmで1枚4500円。

デカくなればなるほどかなり高くなっていきますが、面積あたりの値段で考えてみると、どれも同じくらいの値段設定になっています。

つまり、3600mm×3600mmは1800mm×3600mmの2個分の大きさですが、1200円を2倍すると2400円くらいで大体値段は一緒という感じです。


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独立切子士として
切子の工房を立ち上げました。切子工房 箴光
切子工房 箴光(しんこう)

転職したとはいえ、工事現場で工具の使い方を学んだ経験は江戸切子を作る際にとても役に立っています。


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